空気の設計
こんばんは。いとうゆりえです。
あっという間に年末ですね。
今年のクリスマスプレゼントは・・・CO2測定器です(!)
もちろん冗談ですが、何かを測定する機器というものに、昔から惹かれてしまいます。。。大学等で使う測定機器は高価なものが多いのですが、精度はさておき、最近は買えなくはない金額で色々な機器が売っているので、購入してみました。約1万5千円也。
そして早速、ちょっとした隙間時間につかってみた話です。
15:00 2120ppm
※PPM:Parts per Million-大気中の分子100万個中にある対象物質の個数を表す単位
数字だけでみると、何が基準か分からなくなるので、整理してみて・・・
そもそも空気中の二酸化炭素濃度ですが、
二酸化炭素濃度、2017年の世界の平均濃度は、405.5ppm(前年と比べて2.2ppm増)。工業化(1750年)以前の平均的な値とされる278ppmと比べて、46%増加です。 気象庁HPより
CO2濃度について、
許容値、5000ppm(産業衛生学会 許容濃度等の勧告2018年度より)
望ましい値、1500ppm以下(学校環境衛生基準より)
目標値、1000ppm(建築物における衛生的環境の確保に関する法律:延床面積3000㎡以上の建物)
換気の行われない部屋で、人がいれば、自然と数値は大きくなります。これらから、1000ppm以下にすることを目標に換気計画を立てるとすると、ざっくり計算して、人ひとりあたりで、1時間あたり33㎥の換気をすればよい事になります。
それで写真の値は2120ppm・・・いい状態とは言えません。CO2レベル、POORにランプが点灯。
なので、換気を開始しました。レンジフードを弱で動かしてみます。1時間あたり170㎥の換気能力です。
15:30 1540ppm (←15:00 2120ppm)
減りました。繰り返しますが、この機器の精度は不明です。ですが、レンジフード動かして数字が変化しているので、相対的な参考にはなりそうです。
16:00 1080ppm (←15:30 1540ppm)
CO2レベル表示がPOORからNORMALへ点灯が変わりました。
16:30 960ppm (←16:00 1080ppm)
ここでいったん外出。
戻ってきて見てみると、、、
18:30 706ppm (←16:00 1080ppm)
CO2レベルはGOODになりました!
でも、人がいる以上、何もしないと数字は上がる訳で、ガスコンロを使ったら尚更。
19:30 926ppm (←18:30 706ppm)※ガスコンロ使用後
ごはんの準備にガスコンロ使い、そして同じ部屋にいる人数が増え、数値がUPしました。
バウビオロギー※(建築生物学)の厳しい基準では、600ppm未満を問題ないレベルとしてます。600ppm~1000ppmがさほど問題なし、快適値の境界は1500ppmとなっています。※バウビオロギーは、家を第3の皮膚として考える人の健康に配慮した家つくりを考える学問ですが、その話はまた別の機会に・・・。
なので、換気するのって、大切なんだなぁと、数値を見ると実感します。
夜、換気扇ONでなく就寝した後の部屋は、数値がとーっても高くなります。
なので、朝いちばん、窓を開けて新鮮な空気を室内にとりこむ事はとっても効果的です。換気扇をまわさなくても、窓を開ける事で、CO2濃度は下がります。
寒い冬、換気というと、冷たい空気が入ってくるようで、ついつい換気したくなくなるかもしれませんが、人が集まるパーティーや年末の集いの時に、換気を少し意識してみてくださいね!きっと頭がスッキリします!
ちょっと、数字がたくさんある投稿になってしまいましたが、最後に
一般的なエアコンって、室内の空気をまわしているだけなので、換気にはなりませんから、やはり人がいる時は別に換気が必要です。時折、室外機から出てくる送風は、室内からの排気と思われている方がいらっしゃいますが、あれは、暖房の場合、空気から熱をうばった冷たい空気が吹き出しているだけですので、室内の汚れた空気ではありません。誤解なさらずに。。。